2022.02.07

木取り

今回のテーマは「木取り」

家具の事をより知っていただけたらと思います。

 

 

木取りは買い付け後の家具製作工程でスタート地点。材料から各部材を切り出し作り出す作業です。

買い付けでもお話しましたが、天然材料は一枚ごとに形や表情が異なります。

 

素直で真っすぐなもの、捻じれや曲がったもの。整った木目もあれば、節やわれ等欠点を伴ったものまで。

このように「違い」を持った材料から適材適所に選別し、そこからさらに部材として作りあげます。

そこでは木を扱ううえでの難しさがあります。家具として完成まで数ある工程の中で時間と神経を使う工程で、木取りの善し悪しは加工性や製品にあらわれるからです。

良材だけを使用して作りあげるのは楽ですが、生業としての木取りは「良いとこ取り」だけでは済みません。そうした木取の裏では必要ないロス部分が大量に発生したり、材量の増加で商品価格への影響も出てきます。善し悪しのある、癖も欠点もある材料の山から「ここに使える」「これは使えない」の判断と選定、悪い材や欠点のある材からも経験から得た目利きで実用性に問題ない部分へ使用する工夫が木取りの本質だと思います。

木取の実作業では「木が生きている」事がよくわかります。(あぶない話ではありません笑)切り分けていく際には木の動きも当然あり、思惑通りにいかない事も多くあります。

木材の個性や特性を知り、経験値と擦り合わせし調和をしていく事が木取では大切だと思います。


昔、私がこの世界に入った頃、とある家具屋さんでも木取専門の職人さんがいました。
 
癖のある材でも熟練の域に達すると面白さを感じるようになるそうです。

無駄の出ないように取り組む姿勢を私も持ち続けたいと思います。