オーダーロフトベッド
お客様ご家族にもペイント仕上げをDIY参加していただき完成させた家具。
お子様にもDIY体験を通して、愛着の深まる大変良い時間でした。
思い出にも残るオーダー案件です。
お子様が描いてくれたイメージ図、はじまりはこのスケッチからです。
お客様のその他ご要望を取り入れながら、打合せを重ねブラッシュアップした最終形のイメージ。
「ロフトベッド+デスクスペース」という空間活用が要望の軸。
イメージに近い「既製品ベース」を上手く取り込み完成イメージを目指しました。
無塗装品と塗装品の2パターンありましたが、ペイントの施工性を考慮して塗装済みのタイプをセレクト。
現物の仕様やパーツパターンを再確認し、新たな完成形の構造に落とし込み強度をより高めていきます。
構造と納まり擦り合わせには時間を要しましたが、ご要望もしっかりミックスした新しい形へと変化させていきます。
ベースとなる既製品サイズを基に、新たに有効スペースを生み出すため嵩上げをします。
この嵩上げに関してはご要望を反映させる仕様が加わる為、新たな構造・デザインへの現物との落とし込み作業にかなり時間を要しました。
単に組込み固定していくだけなら容易ですが実際には搬入の事も検討したり、ベースフレームの組み方に合う事や強度を増していく事が必要になります。
またお客様ご自身でもメンテナンスやチェックのし易い仕様の検討も必要です。
フレームをのみ込む形で組み込む大きなメインパーツたち。見た目シンプルですが、内部構造は建築的な複雑な組み合わせになっており一番時間をかけた作業です。
パネルなど流れを汲んだパーツが合わさりながら形になっていきます。
大まかな構造が完成したタイミングからはオーダーならではの細かな作業も加わり完成へ。
加工を終えた本体は、内装仕上げ同塗料の「オスモ」のオイルフィニッシュで仕上げます。
予め内装に使用している品番をお聞きして、経年変化でも色合いが馴染むよう考慮しています。
既存ベースフレームで見せる箇所は、お客様のご要望で壁色にあわせた白仕上げです。
使用する塗料は肌仕上がりのやさしいターナー社「ミルクペイント」、刷毛塗りやローラーなど重ねていく工程も容易で、仕上がりのマットな色合いや風合いの大変良い塗料です。
素地調整とプライマー塗装した後は、仕上がりを目指しペイント工程を重ねていきます。
搬入時にペイント方法などについてレクチャーさせていただき、早速ご家族で作業に取り掛かっておられました。
組み込む箇所の取り合いがある難しい部分はこちらでサポートさせていただきながら無事に完成です。
お子様もしっかり作業に向いペイントを頑張ってくれました。
塗り易い所や塗りにくい所、形や作業を通して貴重な体験となったようです。
お客様と考えたこだわりのポイントをご紹介していきます。
コーディネート面でも人気の高い「有孔ボード」をデスク正面の壁面スペースへ採用しています。
ご提案当初は既存の白壁を活かすオープンタイプのデザインで進めていましたが、ご要望内容を検討する中で有孔ボードご提案に至りました。
材種はペイント下地となるため木目のおとなしい「シナ有孔」をセレクト。
実用性とインテリア性を高め使い勝手の幅を広げてくれる様々なパーツ展開があり、お子様の成長とともに変化するレイアウトにも柔軟に対応できるよう配慮しています。
正面の開口部はお客様の案、脚入れのステップスペース。
開口スペースは実用性に加え、表情に良いアクセントとなっています。
階段フレームと合わさるBOX外面はオープン棚スペースです。
有効寸法も希望であった寸法を確保したサイズ設計です。
デスクスペース天井部には電機工事不要のコンセントタイプのライティングレールを採用。
配線納まりには少し苦労しましたが、内部を通過していく仕様でスッキとした納まりを目指しました。
照明器具は首振り機能の付いた仕様で向きなどより扱いの調整が容易なものとなっています。
また仕上げ色にあわせたホワイトのカラーリングをセレクトしています。
デスク天板上には奥浅仕様の「ニッチ棚」、お客様から頂いた希望の一つ。
筆箱や小物など小物使いのちょっとした活用スペースとなっております。
右袖には雑誌や冊子などの収納スペース。
他にも位置関係や開口寸法、形状仕様など細かな部分もオーダーならではの仕様となっております。
これから日常使いの道具たちが彩を添えて、家具本来としての表情や納まりが大変楽しみです。
「素敵なものをおさめて本当にありがとうございました」